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非行の原因は人によって異なりますが・・・

非行の原因は人によって異なりますが・・・改善更生にはシステムという考え方が重要

 

非行は、貧困、家族問題、地域問題、社会的絆の弱体化、セルフコントロールの弱さ、学校不適応、精神的な問題、ラベリングの問題、機会の問題などがその原因や要因であると犯罪学・心理学・社会学などから指摘されてきた歴史があります。

 

私たちは30年以上非行や犯罪の問題に関わってきていますが、実務的にはどの理論や研究も説得力があります。当然、学問的には論争もありますが、私たちのような実務家コンサルタントにとっては、どれも必要で重要な考え方や研究なのです。ぜひ犯罪学の研究家の方々は新しい研究や理論を展開して、社会に還元していただければと期待しています。

 

さて、現場で非行や犯罪と長く関わってくると、どのケースもご本人や社会・家族上の問題や課題が多く重なり合っていることが分かります。家族内に虐待などの問題があるとか、地域的にも反社会的行動を学習する機会が多かったり、学校においても学業での躓きや友人関係に問題を抱えていたり、個人的には衝動性や攻撃性が高いなどの様々な要因が重なり合っていることが見えてきます。これらの問題に対応するには、すべての要因に個別のオーダーメイドのプログラムが必要になります。個別処遇とか個別ニーズプログラムと言われるものが必要となるのは、このような背景があるからです。

 

しかし、これだけでは非行や犯罪行動から方向転換は難しいのが現実です。最終的には社会的な絆をベースとしながら社会での役割を取得しなければ非行からの方向転換は厳しいことがライフコース論等から指摘されているからです。個別ニーズから社会集団までのシステム的な関わりが求められるのです。

 

実務的には、そのような社会性を身に付ける機会や教育・訓練が必要になります。従来から学校社会から離脱した少年たちを受け止めてきた少年院や児童自立支援施設では、小舎制などの集団を作って社会性を身に付けさせてきていたのは個別から集団までトータルにケア

をするという考え方があるからです。それぞれが持つ個別のニーズから社会性までをターゲットにしたトータルな制度となっておりよくできたシステムと言えます。

 

しかし一方で、現実的に少年院帰りなどと言った社会的なレッテルが付けられてしまうという残念ながらマイナスの側面もあるのは事実で、ライフコース論などもこのような逆機能の存在も指摘しています。良いシステムでもやはり課題は残ってしまう。本当に社会というのは難しくできていると思わざるを得ません。

 

現在は、有り難いことに社会的企業が多く生まれ、このような分野でもサービスが受けやすくなっています。しかし一方で、企業でもありますので収益性を確保しなければならないこともあって、個別ニーズに特化したサービスか社会性の取得を強調するサービスの両極になっていることが多いのも現実です。企業としてはシステム的にサービスを組むことは人的コスト等が増加するので経営が難しくなり、そこまで手が回らないのが現実だと思います。国や地方自治体のサービスがこの点では勝っているところと言えます。

 

現状ではそれらのサービスをどのように組み合わせ、かつ質的な内容も検討して最善の改善更生のためにうまく活用していくまかという時代になってきていると言えます。保護者の方やサービスを受けられる方が情報収集を行い、システム的にサービスを組み合わせるいわゆるアーキテクチャの役割も果たす時代になっているように感じます。具体的に、どのようにサービスを活用したらよいのかわからない場合は、ご相談いただければと思います。